季節の挨拶「寒い日が続きますが」を解説!日本語ならではの特色とは?言い換え表現も紹介

季節の挨拶の中でも、定番のフレーズというものがいくつかあります。冬の挨拶「寒い日が続きますが」は代表格の1つでしょう。

「寒い日が続きますが」と聞くと何となく社交辞令的、もしくは年配っぽいという印象があるかもしれません。

季節の挨拶「寒い日が続きますが」に込められた意味やメッセージを理解すれば、見方も変わってくるはず。フレーズの性質に注目しながら記事をお読みください。

この記事の内容

「寒い日が続きますが」の意味や意義をチェック!


フレーズ「寒い日が続きますが」を理解するには、語句の意味だけを捉えても不十分。どのような効果があり、なぜ使われるのかという点を押さえる必要があります。

以上を踏まえ「寒い日が続きますが」の意味と、意義・必要性について、改めて考えてみましょう。

「寒い日が続きますが」の意味


「寒い日が続きますが」の語句そのものは表現として難しくありませんよね。一方、フレーズの意味となると少しハードルが上がります。

というのも冬季における時候の挨拶という意味のほか、寒い日が続いている事実を、一種の付帯状況として相手と共有するニュアンスも含まれるからです。

「寒い日が続きますが」の意義とは?


次に「寒い日が続きますが」の意義を考えてみましょう。先述の通り、「寒い日が続きますが」は季節の挨拶。季節や時候の挨拶には相手の健康を願う気持ちが含まれます。

すなわち、寒い日が続いているという事実を付帯状況として相手と共有するだけでなく、相手が厳しい時節を無事過ごせるように気遣うニュアンスが大事なのです。

以上を踏まえ、挨拶とともに相手の健康を願う気遣いこそ、「寒い日が続きますが」の意義といえるでしょう。

「寒い日が続きますが」の使い方は?


「寒い日が続きますが」の意味と意義を踏まえ、どのように運用するのかを見ていきましょう。

メールや手紙の挨拶に


「寒い日が続きますが」に代表される時節の挨拶は、メールや手紙の挨拶として有用です。文章の書き出し・結び、いずれにも使える点も押さえておきましょう。

年賀状の本文書き出し


年賀状で「寒い日が続きますが」と述べる場合は、書き出しに配置するのがセオリーです。

というのも年賀状の結びの言葉には、年始の挨拶を締めくくるフレーズが相応しいから。具体的には「本年もよろしくお願いします」に代表される、締めの挨拶が該当します。

書き出しに「寒い日が続きますが」を配置する場合は、「いかがお過ごしですか」という風に相手を気遣う一言を添えるとスマートでしょう。

「寒い日が続きますが」とセットで使われるパターンを紹介!


「寒い日が続きますが」は挨拶の言葉であるものの、単独では完結しません。「おはよう」や「さようなら」などとは異なり、接続詞を伴って次の文章を導く作用があります。

上記を踏まえ、「寒い日が続きますが」と組み合わせて使われる定番のフレーズを3つ紹介します。

いかがお過ごしですか


「寒い日が続きますが」に続けて「いかがお過ごしでしょうか」とつなげれば、相手の近況や体調を伺う気持ちを表せます。

主に書き出しの挨拶に使われ、本題に入る前のワンクッションとしても重宝するフレーズといえるでしょう。

ご自愛ください


「寒い日が続きますが」の後に「ご自愛ください」と続けるのは、結びの挨拶における王道のパターンです。

冬もしくは夏という過ごしづらい季節は、とかく体調を崩しやすいもの。相手の健康を気遣う意味でも、「ご自愛ください」は配慮に富んだ言い回しといえます。

お体にお気をつけて


「ご自愛ください」と同様、「寒い日が続きますが」の後に「お体にお気をつけて」という結びの挨拶もあります。

「お体にお気をつけて」は名詞「お体」、動詞「お気をつけて」と2つの尊敬語を用いる連続敬語の表現であり、とても丁寧なフレーズです。

一方で接頭語「お」が繰り返されるため、少しくどい印象を与える可能性も。歯切れの良さを優先するなら、「ご自愛ください」を選んでもよいでしょう。

「寒い日が続きますが」の例文3選


基礎知識を踏まえ、「寒い日が続きますが」を文章の形で運用する場面を考えてみましょう。

例文

寒い日が続きますが、いかがお過ごしですか。我が家では庭の池が凍結し、さながらスケートリンクのようになっています。

例文

北方での生活には慣れないことも多いでしょう。寒さも格別だとお察しします。当分寒い日が続きますが、どうかお体にはお気をつけて。

例文

今年の冬は、例年以上の冷え込みですね。寒い日が続きますが風邪などひかれませんよう、何卒ご自愛ください。

「寒い日が続きますが」の言い換えや類似表現


「寒い日が続きますが」は冬季の挨拶として定番のフレーズ。ワンパターン化を避ける意味でも、他の表現を覚えておきたいですよね。

「寒い日が続きますが」の代わりに使える言い換え、類似表現を紹介します。

極寒の折


冬の最中、寒さのピークであれば「極寒の折」という言い回しが有効。「寒い日が続きますが」と同様、後に文章を続けやすい語感を持ったフレーズです。

厳しい寒さは続きそうです


「極寒の折」と比べ、より付帯状況の表す色合いが強い表現が「厳しい寒さは続きそうです」というフレーズです。

どちらかといえば文章の結びに配置し、「ご自愛ください」など締めの言葉につなげる使い方が妥当でしょう。

日に日に寒さが増して


秋からの季節の変わり目など、次第に冬が深まっていく時期であれば「日に日に寒さが増して」という言い回しも有効です。

単に「寒さが続く」というよりも時の流れを意識させるリアルなフレーズなので、使いどころによっては効果的といえるでしょう。

「寒い日が続きますが」の英語表現


「寒い日が続きますが」を英語で表すと、どのような言い回しになるかを紹介します。付帯状況の概念は英語表現でも大事。対話においてもしばしば必要になるポイントです。

”~in this cold weather.”


日本語における結びの挨拶と同じ要領で「寒い日が続きますが」のニュアンスを表すには、”~in this cold weather.”が近いでしょう。


“Please take care, in this cold weather.”
(寒い日が続きますが、健康にご注意ください)

“It’s getting chilly. so~”


書き出し、結びのいずれにも使える挨拶の言葉として“It’s getting chilly, so~”というフレーズもあります。

表現上のポイントとして末尾の接続詞“so~”があるおかげで、次の言葉につなげやすいという点が重要。

日本語表現であれば、続けて書き出しの挨拶「いかがお過ごしですか」や、結びの挨拶「ご自愛ください」などにつなげやすくなるのと同じ理屈です。

付け加えると接続詞として“but”ではなく、“so”を選ぶというのもポイント。「寒い日が続きますが」の語尾部分「が」は、必ずしも否定のニュアンスではありません。

特に「ご自愛ください」など、相手の体調を気遣う言葉につなげる場合は、順接の接続詞と捉えても問題はないのです。


“It’s getting chilly, so we must be patient.”
(寒い日が続きますが、辛抱しなければ。)

まとめ


英語表現でも触れた通り、季節の挨拶そのものは必ずしも日本だけのものではありません。日本語文化における季節の挨拶が独特だとされるのは、「相手に対する気遣いが含まれる」という点なのです。

上記の点からも、季節の挨拶を社交辞令として取り入れているだけでは効果半減。相手に対する気遣いを表すためには「寒い日が続きますが」を起点として、組み合わせによる気遣いの言葉や相手に必要なものを渡すなどといった流れを作るとよいでしょう。

季節の挨拶「寒い日が続きますが」のように、日常用語と区別して長く残り続けている言葉には相応の理由があります。言葉の意味だけでなく、意義や性質まで踏み込んで把握することが大事といえるでしょう。

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