「立て込んでいる」をビジネスで使うには?類語との違いは?意味と使い方を詳しく紹介!

忙しい様・多忙である様を「立て込んでいる」といいますよね。同じ意味の言葉はいくつかありますが、どのように違うのでしょうか。

当記事では「立て込んでいる」の使い方や使用に相応しい場面など、フレーズが持つ性質およびトーンに注目します。

例文のほか英語表現も紹介しますので、最後までお読みください。

この記事の内容

「立て込んでいる」の意味は?

そもそも「立て込んでいる」とは、どんな意味でしょうか。なんとなくニュアンスはわかっていても、説明するのは難しいもの。いま一度確認しておきましょう。

多くの用事が重なっていること

「立て込んでいる」とは一度に多くの人やものが入り込み、混雑しているという意味です。特にビジネスシーンにおいては、多くの用事が重なっている様を表します。

「忙しい」「バタバタ」との違い

「立て込んでいる」の意味そのものは、「忙しい」「バタバタ」とほぼ同義。しかし性質は異なります。

仮に「忙しい」と表現する場合、自分自身の状況を主観的に説明するニュアンスが強調されますよね。一方「立て込んでいる」の場合、付帯状況を客観的に表現するトーンになります。

上記の理由から、ビジネスシーンにおいて自身が多忙である様を表現する際には「立て込んでいる」と表現するのがマナー。「忙しい」「バタバタ」は避けるべきです。

「大人数が混み合う」という意味も

「立て込んでいる」には、「一箇所に大人数が混み合う」という意味も。例えば店舗の集客状況が当てはまります。

先述のように、付帯状況として「お店が混雑している」様を表すことは客観的な情報です。一方「お店が忙しい」「お店がバタバタしている」という表現の場合は、発言者の主観や意見が入り込みます。

「立て込んでいる」の本質を理解する上で重要なポイントなので、しっかり押さえておきましょう。

「立て込んでいる」の使い方を解説!

「立て込んでいる」のニュアンスを踏まえ、使い方を解説します。相手や状況に応じてピンポイントで使うのがポイントです。

「忙しい」「バタバタ」だと失礼な場合に使う

「忙しい」「バタバタ」と発言すると、自身が慌ただしい状況であることを暗に強調することになりますよね。

特にビジネスシーンにおいて、目上の相手に「忙しい」「バタバタ」と発言することは失礼に当たります。場合によっては言い訳や拒絶の意志だと受け取られるでしょう。

代わりに「立て込んでいる」と言い換えることで事情を間接的に表現し、言い訳や拒絶のニュアンスも和らげることができます。

申し出に対する断り方としても有用

「立て込んでいる」は、お誘いや提案などの申し出に対する断り方の1つです。申し出た側としても「忙しい」「多忙」より、「立て込んでいる」と言われる方が好印象でしょう。

「忙しい」「多忙」だと、拒絶の意志を含むニュアンスが強調されます。一方「立て込んでいる」という場合、ネガティブなトーンが抑えられるのです。

「立て込んでいる」の敬語表現は?

「立て込んでいる」はビジネス向きの表現ではあるものの、敬語ではありません。目上の相手に対して「立て込んでいる」と伝えるには、どのような言い方をすればよいでしょうか。

事情を説明する際には「立て込んでいます」「立て込んでおります」


目上の相手に対して「立て込んでいる」旨を伝えたい場合は、語尾を丁寧語で整えましょう。「立て込んでいます」もしくは「立て込んでおります」と発言すれば問題ありません。

自身の状況を伝えるだけの内容なので、必要以上にへりくだったり、相手を立てたりしなくともOKです。

「立て込んでいらっしゃる」「立て込んでおられる」は避ける

ほとんど用例は見られませんが、文法上は「立て込んでいらっしゃる」「立て込んでおられる」という尊敬表現が可能です。

目上の相手が多忙である状況について、「立て込んでいらっしゃる」「立て込んでおられる」と表現してもよいでしょう。ただし、あくまで第三者として状況を説明する場合に限られます。

尊敬表現といえども、目の前の相手に対し「立て込んでいらっしゃる」「立て込んでおられる」との発言は避ける方が無難です。

そもそも用例が少ないことからも、「立て込んでいらっしゃる」「立て込んでおられる」の言い回し自体が一般的ではないと考えられます。

「お忙しい」「ご多忙」「お取込み中」などに言い換える

目上の人物が多忙な際には「お忙しい」「ご多忙」「お取込み中」などのように、平易な語句に尊敬の助詞「お」や「ご」を付けて表現するのが一般的です。

例えば、「お忙しいところ恐れ入りますが」というフレーズは浸透していますよね。一方、慣習として「立て込んでいらっしゃるところ恐れ入りますが」とは言わないこともおわかりいただけるでしょう。

「立て込んでいる」の例文

「立て込んでいる」の意味と使い方を踏まえ、実際に文章の中で運用してみましょう。例文を3つ紹介します。

例文

「今週末、一杯どう?」
「お誘いありがとうございます。実はちょっと立て込んでおりまして…」
「あら、そう!まぁ忙しいのはいいことだよ」

例文

「売り場が立て込んでいますね」
「ちょっと人手が足りないな。よし、僕も応援に回ろう」

「立て込んでいる」の類語・言い換え

「立て込んでいる」というと、場合によっては堅苦しく聞こえる可能性もありますよね。必要に応じて言い換えできる表現を紹介します。

慌ただしい

「バタバタしている」に近いニュアンスで、もう少しビジネス寄りなトーンの言い回しが「慌ただしい」です。「立て込んでいる」というよりも、より目まぐるしい印象が伝わります。

「バタバタしている」と同様、身の回りが落ち着いていないことをアピールするニュアンスが含まれるため、相手に不安を与えてしまう可能性も。

目上の相手にも使えないわけではありませんが、積極的に使うのは控える方がよいでしょう。

取り込み中

「取り込み中」とは、所用により身動きが取れない様・体が空いていない様を表します。用事が重なるという意味の「立て込んでいる」とイコールではありませんが、類語の1つです。

ちなみに一般的には、自分自身が忙しい様を「取り込み中」とは表現しません。

実際の運用例としては、他人が取り込んでいる様を伝える際に「〇〇様はお取込み中です」といった形で表現する場合が主だといえます。

多忙

並外れて忙しい様を「多忙」と表現します。忙しさが重なる、という意味で「立て込んでいる」とほぼ同義。

補足すると「慌ただしい」と同様、自分自身に対して使うよりも、他人の状況を表す際に使う方が妥当です。

自分の置かれている状況を「立て込んでいる」というのは問題ありませんが、「多忙」と発言すると、自らの忙しさをアピールしているかのように受け取られてしまう可能性があります。

「立て込んでいる」の英語表現

最後に、「立て込んでいる」を英語で表現する語句やイディオムを例文で紹介します。

busy「忙しい」

“He is so busy, because he started his own business.”
(独立して起業したばかりなので、彼はとても忙しい)

caught up「拘束される」「巻き込まれる」

“I was caught up until the evening, since the store was thriving.”
(店内が賑わっていたので、夕方まで身動きできなかった)

a long day「長い一日」「大変な一日」

“It’s been a long day.”
(大変な一日だった)

まとめ

忙しい状況を伝える言葉を選ぶ際には、「相手に使えても、自分には使えない」「自分に使えてても、相手には使えない」という2つのポイントを押さえるとよいでしょう。

「立て込んでいる」は「自分に使えても、相手には使えない」に該当します。というのも主として、相手に自分の事情を説明する際に使うする言葉だからです。

目上の相手に事情を説明する際には、敬語表現も大事。「立て込んでいる」は、いくつもの要素を併せ持った上級者向けのフレーズといえるでしょう。

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