「重ねて」の意味と使い方を解説!組み合わせフレーズ・英語表現・例文も紹介!

重複を承知の上で、敢えてもう一度述べる際に「重ねて」と付け加える表現があります。

話し言葉・書き言葉のどちらにも使える言い回しですが、話し言葉として使われる機会が多いですよね。

使う場面もビジネス・フォーマルが多く、日常会話で使われることは稀。やや固い表現であり、正しく理解した上で運用することが大切です。

以上を踏まえ、当記事では「重ねて」の意味・使い方・組み合わせフレーズを紹介しますので、是非ご一読ください。

この記事の内容

「重ねて」の意味を解説!

「重ねて」を辞書的に説明することは簡単ですが、それだけでは十分な解説とはいえません。

「重ねて」の持つニュアンス・特性まで踏み込んで理解しましょう。

同じ内容を繰り返す意味

「重ねて」は、重複・累加する旨を伝えるための副詞です。「重ねて」と前置きすることにより、繰り返しを承知の上で発言する姿勢を表します。

ポイントは、強調・念押しの意味を込めて使われること。単なる累加ではなく、重要性を伝えたいがための表現といえます。

クッション言葉の側面もある

先述の通り「重ねて」は前置きの一言として使うのが一般的で、いわゆるクッション言葉の側面があります。

要すれば、「重複を承知の上で」「しつこいと思われるかもしれませんが」といったニュアンスを一言でまとめられるのです。

「重ねて」の一言により、内容重複に伴う冗長な印象を抑えるとともに、大事なことを伝えているのだと印象づける効果も。正に一石二鳥です。

似た言葉との違い

「重ねて」に似た性質を持つ言葉として、合わせて・併せて・重ね重ねの3つがあります。各語について詳しく解説します。

「合わせて」「併せて」との違いは?

「合わせて」は複数のものを1つにすること。合算・合併などに含まれる意味合いと同じです。同義語としては「まとめて」「ひっくるめて」などが挙げられます。

一方、「併せて」は同時に・並行してといった意味を表すのが一般的で、付加・累加の目的で使われることが多いです。

「重ね重ね」との違いは?

副詞「重ね重ね」とは、同じ内容を繰り返して強調すること。「重ねて」と同義ですが、「重ねて」では表現できない言い回しが可能です。

例えば「重ねて申し訳ありません」という言い回しは文法上NGですが、「重ね重ね申し訳ありません」は正しい表現とみなされます。

「重ねて」の使い方を紹介!

「重ねて」の意味を踏まえ、使い方について具体的な場面や例文を挙げながら紹介します。

「重ねて」が使われる主な場面

「重ねて」はフォーマルな場面で使われることが多い言葉です。

場面の例としては冠婚葬祭におけるスピーチ、ビジネスにおける全体向けの告知・挨拶などが挙げられます。

「重ねて」の具体的な用途・目的

「重ねて」は他者に向けての発言が前提です。先述の通り文章でも使えるものの、一般的には話し言葉として使われます。

具体的な趣旨としてはお願い・お詫びが主なもので、「重ねてお願い申し上げます」「重ねてお詫び申し上げます」のように、ひとかたならぬ気持ちを表す用途が一般的です。

「重ねて」と組み合わせて使うフレーズもチェック!

意味・使い方を踏まえ、「重ねて」と組み合わせて使うフレーズをピックアップします。主な組み合わせフレーズは下記の4つです。

重ねてお詫び申し上げます

「重ねてお詫び申し上げます」は、改めてお詫びする姿勢を表す一言です。

主な使い方としては最初に一度謝った上で、話の終わりにもう一度お詫びすることで深い反省の意を表すことができます。

重ねて御礼申し上げます

「重ねて御礼申し上げます」は、感謝の気持ちを強調する表現です。

場面によっては「ありがとうございます」と伝えるだけでは言葉が足りず、軽い印象を与えてしまうこともあるもの。ひとかたならぬ世話になった場合はなおさらです。

「重ねて御礼申し上げます」は、よりかしこまった姿勢で深い謝意を表す際に相応しいフレーズといえます。

重ねてお願い申し上げます

「重ねてお願い申し上げます」は、お願い・依頼する内容を強調することで強い希望を表す言い回しです。

例えば目上の相手に対し、禁止・制限することは難しいもの。というのも、指示・命令を与えることができないからです。

上記のような場合でも、ひとかたならぬ強調の仕方でお願いすることにより、抑止の効果が期待できます。

重ねて質問失礼いたします

「重ねて質問失礼いたします」は、質疑応答の機会が与えられた場合に使えるフレーズです。

例えば講義・学会のように、開かれた議論の場で教授に対して質問できるような場面が挙げられます。

具体的には一度質疑応答が終わった後、続けて別の質問を投げかける場面などが代表的。

他に質問者がおらず、なおかつ疑問が解消していない場合には「重ねて質問失礼いたします」と発言しても許されるでしょう。

「重ねて」の例文3選!

「重ねて」の意味・使い方・組み合わせフレーズを踏まえ、実際に文章を作ってみましょう。例文を3つ紹介します。

例文

先ほど申し上げた通り、条件を逸脱して罹患した場合は保障の対象とはなりません。くれぐれも注意いただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

例文

この度はご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。重ねてお詫び申し上げます。

例文

おかげさまで事業を軌道に乗せることができました。ひとえに田中様のご助力によるものであり、重ねて御礼申し上げます。

「重ねて」の類語・言い換え表現を紹介!

「重ねて」はフォーマルな場面で使う言い回しだと先述しました。以下ではフォーマルな場面以外でも使える主な類語・言い換え表現を3つピックアップします。

繰り返し

「繰り返し」とは、同じ内容を反復すること。「重ねて」との違いとして追加・累加の要素がなく、同じ内容であることが明確化される点に特徴があります。

再三

「再三」とは「たびたび」「重ね重ね」と同義です。「重ねて」よりも繰り返しのイメージが強調された表現といえます。

いま一度

「いま一度」はもう一度・再度という意味です。単なる繰り返しよりも、「改めて」といった強調の意味合いで使われることもしばしばあります。

「重ねて」の英語表現

最後に「重ねて」の英語表現を3つ紹介します。

“repeatedly”(繰り返し・何度も)

“He failed repeatedly.”
(彼は何度も失敗した)

“again and again”(再三・何度も)

I call him again and again, but the call doesn’t get through.
(再三彼に電話したが、一向につながらなかった)

「重ねてお詫び申し上げます」の英語表現

“I apologize again.”
(いま一度お詫び申し上げます)

まとめ

「重ねて」は文字通りの重複よりも、強調の意味で使われることの多い言葉です。

いざ「重ねて」と発言しても、伝えたいことが曖昧だったり説得力のない内容だったりした場合、何のための強調かわからなくなってしまいます。

語句そのものの意味だけでなく、「重ねて」と発言するべきタイミング・内容ともに見極めて使うようにしましょう。

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