「頂きました」の意味・使い方を紹介!いただきました・戴きましたとの違いも解説!

目上の人物から何かをもらった場合には、「頂きました」と表現しますよね。

一見すると当たり前に思われますが、平仮名表記「いただきました」との違い・区別の必要性についてはあまり知られていません。

上記を踏まえ、当記事では「頂きました」の意味・使い方・同音異語との違いなどについて解説します。ぜひ最後までお読みください。

この記事の内容

「頂きました」の意味を解説!

「頂きました」の意味を解説!

はじめに「頂きました」の意味・性質を解説します。同音異語「いただきました・戴きました」との違いについても記述しますので、ご確認ください。

「頂きました」の意味

「頂きました」は、動詞「もらった・食べた・飲んだ」などの謙譲表現。主なポイントは2点です。

①品詞が動詞に限られる

②目上の人物から何かを与えられる状況を前提とする


まず①については、原型の動詞「頂く」を理解する必要があります。

「頂く」は「頂戴する」に置き換えるとわかりやすく、受け取る・摂取するといった動作が含まれるもの。「~させていただく」のような補助動詞とは性質が異なります。

②について補足すると、原型の動詞「頂く」は謙譲表現です。目上の相手からもらう・受け取る動作であるため、自らへりくだって「頂く」と表現する必要があります。

「いただきました」との違い・漢字表記の理由は?

「頂きました」の品詞は動詞であると先述しました。一方、「いただきました」は一般的に補助動詞の位置づけです。

主な理由としては文部科学省の指針が挙げられ、
「頂きました・いただきました」「致しました・いたしました」のような同音異語の表記は、以下の要領で運用するよう定められています。

動詞は漢字表記

補助動詞は平仮名表記

「戴きました」との違いは?

「いただきました」ほど使う機会は多くないものの、同音異語の「戴きました」についてもチェックしましょう。

「戴きました」の原型である動詞「戴く」は、特別な儀式を前提とする語句です。

元々は「戴冠」に代表されるように、王冠を頭に載せる行為に由来する言葉。特に中国では、帝位に就く行為とみなされていました。

以上の理由により、一般的な市民生活の中で「戴きました」を使う機会はほぼないと考えられます。

「頂きました」の言い換え表現を紹介!

「頂きました」の言い換え表現を紹介!

紹介した意味・使い方を踏まえ、「頂きました」の言い換え表現を考えましょう。主な言い換え表現は下記の3つです。

頂戴しました

「頂戴しました」は、先述したように「頂きました」と同義の表現です。

原型の「頂戴する」は動詞以外では使えないため、「頂きました・いただきました」の違いを説明せずに使えるメリットがあります。

主にビジネスシーンで使われるフレーズです。

賜りました

「賜りました」は「受け取りました」をへりくだって表現する謙譲表現。

「頂きました」よりも格式ばった言い回しで、ビジネスシーンでは主に顧客・取引先・株主といった大事な相手に対して使われます。

ちなみに「賜りました」には尊敬語としての用法もありますが、「下さった・お与えになった」と同義であり、受け取るニュアンスとは反対です。

拝受しました

「拝受しました」は、拝みながら受け取るへりくだった意味を表します。

敬語表現としては「拝見しました」と同質で、謙譲語+丁寧語の連続敬語です。

ニュアンスとしては「ありがたく頂戴しました」と同義であるものの、より短く済ませられるためスマートな印象を与えます。

「頂きました」と組み合わせて使うフレーズもチェック!

基礎知識を踏まえ、「頂きました」と組み合わせて使うフレーズを考えてみましょう。主にビジネスシーンで使う表現として、下記の3つをピックアップします。

メールを頂きました

「メールを頂きました」は、主として社内間連絡・報告を前提とした伝達表現の1つです。

というのも、直接やり取りする相手に対して「メールを頂きました」と発言するのは不自然であるため。

外部の取引先・一般顧客といった、外部の相手からメールがあった事実を報告する場合に使います。

ちなみに動詞「頂く」の敬意の対象は、取引先・一般顧客といった外部の相手です。

お電話頂きました

「お電話頂きました」は社内連絡・報告のほか、やり取りする相手に対しても使える表現です。

たとえば不在着信の履歴を見て、コールバックの際に「お電話頂きましたね」と切り出す使い方もあります。

頂きました内容で

「頂きました内容で」は受け取った内容に基づき、後続の手続き・作業などに移る際に使う一言です。

本来であれば「頂いた内容で」表現するべきですが、現在はビジネス上の話し言葉として浸透しています。

メール・文書上で同様の表現が必要な場合は、「頂いた内容で」と正しく表記しましょう。

「頂きました」の例文3選!

紹介した知識を踏まえ、「頂きました」を使った文章を3つ紹介します。

例文

「店長、お客様から問い合わせのメールを頂きました」
「おお、珍しいね。どんな内容?」
「営業時間の短縮はいつまでの予定か、との質問です」
「了解、その件は僕が直接返信します。ありがとう」

例文

OBの田中様からお菓子の差し入れを頂きました。各自1つずつお召し上がりください。

例文

「記入終わりました」
「ご協力ありがとうございます。それでは、頂きました仕様で発注いたします。入荷後にご連絡いたしますので、しばらくお待ちくださいませ」

「頂きました」の英語表現

最後に、「頂きました」の英語表現を紹介します。

“We received your email.”

“Thank you for your email.”
(メールを受領いたしました)

上記の通り、英語には「頂きました」のような謙譲表現がありません。受け取った・受領した事実を丁寧に述べて対応しましょう。

まとめ

「頂きました」を理解する上で一番大事なポイントは、補助動詞「いただきました」との違いです。

動詞・補助動詞を正しく区別し表記できるようになれば、第三者に対しても適切に説明できます。

当記事を参考に、「頂きました」を上手に活用してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
この記事の内容