「前向きに検討」の意味・使い方を解説!お断りの場合があるのはなぜ?言い換え表現も紹介

提案・申請などに対し、即断できない場合に「前向きに検討します」のような言い回しをしますよね。

「前向きに検討」はポジティブな方向性で考える、といった意味合い。一方で社交辞令の方便といった否定的な見方もあります。

当記事では「前向きに検討」の正しい意味・使い方のほか、組み合わせフレーズ・言い換え表現などを紹介します。

この記事の内容

「前向きに検討」は「お断り」の意味?

「前向きに検討」は「お断り」の意味?

「前向きに検討」に対し、実際のところは「お断り」の意味を表すネガティブな意味だと解釈する意見もあります。

上記を踏まえ、表現の意味・実際の意味合いについてチェックしましょう。

「前向きに検討」とは

「前向きに検討」とは、肯定的・好意的に考えるといった意味合いです。

すぐに結論を出せない段階でも、ポジティブな方向で検討するニュアンスを表します。

使われる場面としては、提案・申請・採用面接といった事案が代表的。

多くの場合は相手に期待させるような姿勢を表しますが、例外もあります。

意味はポジティブ・ネガティブの2通り

「前向きに検討」には言葉通りのポジティブな意味以外に、お断りのための社交辞令・方便としての意味もあります。

社交辞令・方便として使う場合の目的は、あくまで表層上の進行を円滑に進めるため、当たり障りのない表現を選ぶことです。

日本には本音と建て前の文化があり、ビジネス上のやり取りも例外ではありません。

「前向きに検討」の使い方を解説!

「前向きに検討」の使い方を解説!

「前向きに検討」の主な使い方は、積極的に検討する場合・失礼なく断る場合の2通りに分かれます。

詳細は以下の通りです。

積極的に検討する場合

積極的に検討する場合の使い方は、「前向きに検討」の言葉通りポジティブに進める内容です。

提案・申請・採用面接などの内容に基づき、「前向きに検討」の発言者は実行に移すための手続き・段階に移ります。

失礼なく断る場合

失礼なく断るための使い方は、「前向きに検討」を社交辞令・方便として使う場合です。

「前向きに検討」も体よくあしらうための決まり文句であり、その場の雰囲気・印象が悪くならないように耳障りのいい表現を選びます。

企業・店舗の採用面接でしばしば使われる用法です。

「前向きに検討」の組み合わせフレーズを紹介!

「前向きに検討」の組み合わせフレーズを紹介!

紹介した意味・使い方を踏まえ、「前向きに検討」の組み合わせフレーズを紹介します。

主なフレーズは以下の3つです。

前向きに検討させていただきます

「前向きに検討させていただきます」は、「前向きに検討」する旨を丁寧に述べる言い回しです。

「させていただきます」の表現は謙譲語+丁寧語の連続敬語であり、非常に度合いの高い敬意を表します。

相手に好意的な印象を与える言い回しであるため、方便でお断りする場合の表現には適していません。

前向きに検討します

「前向きに検討します」は「前向きに検討」のスタンダードな組み合わせ表現です。

「前向きに検討させていただきます」よりも平易な言い回しであり、ポジティブ・ネガティブのどちらの用途にも対応できます。

丁寧語のみのシンプルな敬語表現であり、社内手続き・対応に適したフレーズです。

前向きに検討する方針です

「前向きに検討する方針です」は、前向きに検討する旨をやや婉曲的に伝える言い回し。

「検討します」よりもぼかしたニュアンスがあり、断定的ではありません。

「方針」には基本戦略として組み入れる意味合いがあるものの、話し手によっては深く考えずに使っている場合があります。

「前向きに検討」の類語・言い換え表現は?

「前向きに検討」の代表的な類語・言い換え表現は以下の5つです。

各表現の詳細について解説します。

前向きに取り組む

「前向きに取り組む」とは積極的・ポジティブに推進するといった意味合いです。

「検討」の段階でなく実際にアクションするニュアンスであるため、ネガティブな使い方には使えません。

社交辞令・お断りの目的であれば別の表現を選びましょう。

善処する

「善処する」は「前向きに取り組む」の類義語です。

「前向きに取り組む」よりも婉曲的な言い回しであり、やや他人行儀な印象を与える場合があります。

受動的・日和見的な印象を与えるため、ポジティブな印象を与えたい場合には適していません。

積極的に考える

「積極的に考える」は「前向きに検討する」と概ね同義の表現です。

「積極的」は「前向き」よりもポジティブな印象を与える場合が多く、ネガティブな使い方はできません。

好意的・肯定的なメッセージをわかりやすく伝えたい場合に適した表現です。

前向きに考える

「前向きに考える」は、「前向きに検討する」の平易な言い回しです。

基本的には同義であるものの、ビジネス以外の場面でも使いやすい点で異なります。

主にサークル・部活動・同好会などの運営・会議の場面で使えます。

良い返事をする方向で

「良い返事をする方向で」は、「前向きに検討する」よりもポジティブな言い回しです。

「積極的に考える」よりも具体性が強く、大筋OKの方針である旨がオープンになっています。

上記の理由により採用面接ほか、慎重な判断を要する外部とのやり取りには適していません。

あくまで内部での折衝・交渉といった場面での使用に留めるようにしましょう。

面接での「前向きに検討します」は「お断り」の意味?

仮に面接で「前向きに検討します」と言われとしても、合否の予想を立てることは困難です。

先述のように、「前向きに検討します」の意味はポジティブ・ネガティブの2通りに分かれます。

合否に関する明確な確率・統計は存在せず、実質的にケースバイケース。

必ずしもお断りの意味で使われるとは限りません。

面接後は一喜一憂せずに、普段の生活スタイルを保つよう心がけましょう。

「前向きに検討」の英語表現

最後に、「前向きに検討」の英語表現を紹介します。参考にお役立てください。

・think positively
例:
“I will think about it positively.”
(前向きに検討します)

・give it a positive consideration
例:
“We will give positive consideration to the matter.”
(問題の件については前向きに検討します)

まとめ

「前向きに検討」は言葉通りならポジティブな意味ですが、場合によっては社交辞令の意味合いもあります。

日本語には文化的に本音と建前があり、ひとつの言葉が必ずしも常に同じ意味を表すとは限りません。

当記事の内容を踏まえ、「前向きに検討」を自分で使う場合・自分が聞かされる場合ともに対応できるように備えましょう。

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