「構わない」の意味・使い方・類語を解説!JLPT N3における意味も紹介

肯定の返事にもいくつかのバリエーションがありますよね。同じ肯定でもそれぞれトーンが異なります。

本記事で紹介するのは、控えめの肯定を表す「構わない」です。

トーンの具体的な特徴や、与える印象などについても解説します。

「構わない」の基本的な意味・使い方や、類語・言い換え表現も紹介します。

この記事の内容

「構わない」の意味を紹介!

「構わない」の意味を紹介!

「構わない」は、控えめの肯定表現です。

自分に向けての問いかけに対し、受動的に回答するのが基本の用法。

積極姿勢ではない分消極的な印象を与えたり、場合によっては横柄な心証を与えたりする可能性があります。

上記の理由により、多くの場合は前提として上下関係があり、上位の者が下位からの問いかけに対して「構わない」と答えるのが一般的です。

「構わない」の使い方を解説!

「構わない」の使い方を解説!

紹介した意味に基づき、「構わない」の使い方もチェックしましょう。

許可・承認の用法と、許容・黙認の用法に分けて解説します。

許可・承認の用法

「構わない」は稟議・議案・申請など、下位から上位に寄せられた事案を許可・承認する際に適した表現です。

「構わない」の表現を選ぶ理由として、上位の立場として安請け合いできないほか、質の低い意見を拒む姿勢を見せる必要性があるためと考えられます。

許容・黙認の用法

「構わない」は許容・黙認の姿勢を表す表現としても有効です。

たとえば稟議・議案・申請のような正規の手続きを踏まない個々の事象に対し、特に咎めず黙認するような場合が当てはまります。

下位の者にミス・非礼などがあった際、咎めず不問に付すような場合も同様です。

JLPT N3 Grammarにおける「構わない」とは?

JLPT N3 Grammarとは、日本語能力試験(JLPT)における認定ランクN3の文法を指します。

JLPTにおける認定ランクはN1を最上位としてN5まで5段階に分かれており、N3は中級の位置づけ。

「構わない」もN3のランクに分類されています。

JLPT N3 Grammarにおける「構わない」は、「~ても構わない」の形式。

「食べても構わない・残しても構わない」といった、「実質的にOK」の意味合いで紹介されています。

「構わない」の注意点をチェック!

「構わない」を使う際には、いくつかの点で注意が必要です。

主な注意点を2つ紹介します。

目上の相手に対してはNG

表現の性質上、「構わない」は目上の相手に対して使えません。

というのも先述したように、上位の者から下位の者に許可・承認するニュアンスを含むためです。

責任者・管理職・役員といった指示・命令を出す立場になるまでは、そもそも「構わない」を使わない方が無難です。

「OK」の代わりに使うと悪印象

上記の理由により、「構わない」と「OK」は同義ではありません。

結果的にOKとみなすだけであり、相手に与える印象は大きく異なります。

仮に同格の相手に対して「構わない」と発言した場合、横柄なイメージを与えるためNGです。

「構わない」の敬語表現は目上に使える?

結論から述べると、「構わない」の敬語表現は目上に使えません。

「構わない」を敬語に言い換えると、丁寧語の「構いません」が該当します。

ただし相手との上下関係に関する性質は変化しないため、目上に対する表現としては不適切です。

敬語に言い換えたい場合は、「よろしいでしょうか」「問題ないでしょうか」などの表現を選びましょう。

「構わない」の類語・言い換え表現をチェック!

「構わない」の代表的な類語・言い換え表現は以下の5つです。

各表現について詳しく解説します。

差し支えない

「差し支えない」は妨げるものがない、すなわち支障ない・問題ないといった意味合いです。

「問題ない」などと同様に、同じ否定形でも「構わない」より横柄な印象がありません。

「差し支えありませんか」のような疑問形でも使えます。

支障ない

「支障ない」は「差し支えない」と同義の表現。

字数が短いだけでなく、「支障なく」のように活用しやすい点も特徴です。

「支障ない場合は」「支障なければ」のように、短めの書き言葉にも適しています。

問題ない

「問題ない」は「構わない」の平易な表現です。

基本的には話し言葉に適しており、改まった文書には相応しくありません。

類語に「大丈夫・平気」などがありますが、あくまで口語であり、身内以外の相手に対して使うのはNGです。

よろしい

「よろしい」は是認・許可などの意味を表す表現。

目上の相手に許可を求める場合は、「よろしいでしょうか」と表現すると失礼がありません。

漢字表記だと「宜しい」が該当しますが、一般的には平仮名の「よろしい」が使われます。

結構

「結構」は「構わない」の同義語です。

基本的に上位の立場にある人物が使う表現であり、下位の者が目上の相手に使うことはできません。

「構わない」との違いとして、疑問形の用法がない点が挙げられます。

立場の上下を問わず、「結構か」「結構でしょうか」のような言い回しはありません。

「構わない」を使った組み合わせフレーズを紹介!

紹介した基礎知識に基づき、「構わない」を使った組み合わせフレーズをチェックしましょう。

主なフレーズは以下の2つです。

構わないでほしい

「構わないでほしい」とは、放っておいて欲しいといった意味合い。

相手を突き放す言い方であり、冷たい印象を与えます。

自分から積極的に使うのは好ましくないものの、過度に干渉してくるような相手に対して冷や水を浴びせるには効果的です。

構わないけど

「構わないけど」は、受け身の肯定表現。

「別にいいけど」のようなニュアンスの口語表現であり、あくまで身内に限って許される言い回しです。

例外として、照れ隠しの用法が挙げられます。

他の人が嫌がるような仕事・役回りを進んで引き受ける際、「構わないけど」と一言添えれば丸く収まりやすいです。

「構わない」の英語表現

最後に、「構わない」の英語表現を紹介します。

・“I don’t mind.”
(気にしない・構わない)

・“I don’t care.”
(気にしない・構わない)

・“It’s all right.”
(問題ない・いいってことさ)

まとめ

「構わない」は使い方に注意を要する表現のひとつです。

安易に使うと相手の気分を損ねたり、場合によっては注意・指導の対象になったりする可能性もあります。

当記事の内容を踏まえ、「構わない」を適切に運用してください。

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