市立草加小学校の一角に佇み、そっと児童たちを見守る由緒ある建物…。
草加市の事をもっと知りたくなった私は「草加市歴史民俗資料館」を訪れました。
小学校の旧校舎をそのまま利用した資料館では、レトロな雰囲気を味わいながら、草加の歴史を楽しく学べます。
草加市立歴史民俗資料館とは
草加駅から徒歩6分。草加小学校の隣に建つ、趣のある建物が草加市立歴史民俗資料館です。
この建物は、草加小学校の西校舎として草加市出身の建築家・大川勇の設計で大正15年(1926年)に建てられました。
県内初の鉄筋コンクリート造り2階建てで、当時としては最新鋭の耐震耐火構造が施されています。
実は草加小学校は、前年の大正14年に木造校舎を焼失しており、この建物には「子どもたちが安心安全に学べる環境を…」という願いが込められているのだそうです。
昭和52年(1983年)に小学校校舎としての役割りを終えますが、その美しい外観が「鉄筋コンクリート建築の黎明期を伝える造形の規範」だと評価され、平成20年(2008年)に国登録有形文化財となりました。
校舎から草加市の歴史を伝える資料館に姿を変えて、今も小学校の傍らで子どもたちを見守っているのです。
玄関前には「登録有形文化財」の石碑があります。
こちらの案内板には歴史民俗資料館の意義や目的が記されていました。
内容を抜粋すると、以下のように。
「草加市立歴史民俗資料館は郷土の文化遺産を収集、保管、展示するために昭和58年11月1日に開館しました」「ここに集められた文化遺産は、いずれも私たちの祖先が長い歴史の中でつくり、はぐくみ、伝え残してくれたものです」「これらを大切に保存し、 永く後世の人々に伝えることは、今に生きる私たちの責務ではないでしょうか」
とてもわかりやすい言葉で書かれているのは、ここを訪れる子どもたちにこそ伝えたいからかもしれませんね。
草加市立歴史民俗資料館の展示
1階の第一展示室には縄文時代から明治時代までの歴史が展示されています。
綾瀬川で出土されたという丸木舟は縄文時代のもので、市の文化財に指定されているそうです。縄文時代の人も綾瀬川を舟で渡っていたのかと思うと、不思議な気持ちになります。
また、江戸時代のコーナーには日光街道草加宿のジオラマが展示されています。
にぎやかな宿場町と青々した水田。江戸時代の草加宿を想像すると楽しくなりますね。
おくの細道にちなんだ展示もたくさんありました。
「おくの細道」には最初の宿は草加宿だと書かれています。
元禄2年(1689年)3月27日に深川を出発し、千住宿で見送りの人々と別れた芭蕉は「その日のうちに草加にたどり着いた」と記しているのです。
しかし近年の研究では、初日の宿は2つ先の春日部だったという説が有力です。芭蕉は、足取りの重さを強調するために脚色して「草加宿にたどり着いた」と書いたといわれています。
でも!
綾瀬川沿いの美しい松並木を歩いたら…「最初の宿は草加宿だった」と芭蕉が脚色したくなる気持ちもわかりますよね。
そういえば、樹齢100年の松の切り株も展示されていました。
第二展示室は「ちょっと昔の草加」が展示されていて、レトロな雰囲気に浸れます。
中央にある舟には実際に乗ることができます。舟に座って目を瞑り、少し昔の綾瀬川を思い浮かべてみました。
ここには草加せんべいの作り方も詳しく解説されていました。
廊下にもミニ展示が盛りだくさん。懐かしいオルガンやミシン、箪笥もありましたよ。
こちらは2階の教室です。「立志」の文字を見ながら、多くの子どもたちが学んだのですね。
黒板の雰囲気や黒いカーテンがなんだか懐かしいです。
この教室は現在でも、講演会や体験教室の会場に使われているのだそうです。
教室には蓄音機も置かれていました。
草加市立歴史民俗資料館のプチ情報
名称 | 草加市立歴史民俗資料館 |
住所 | 草加市住吉1-11-29 |
営業時間 | 午前9時から午後4時30分 |
電話番号 | 048-922-0402 |
定休日 | 月曜日(祝日の場合は翌平日)/ 年末年始(12月29日から1月3日) |
駐車場 | なし |
入場料 | 無料 |
アクセス | 草加駅から徒歩6分 |
ホームページ | 歴史民俗資料館 |
地図
【駐車場】
駐車場はありません。近くにはコインパーキングが数カ所あります。
私は「蔵カフェ中屋」横のパーキングに車を停めてランチ後、歩いて移動しました。
お天気がよければちょうど良い距離です。(徒歩6〜7分です)
*蔵カフェ中屋で飲食をすると、お店の横のパーキングが1時間割引されますよ。
※「蔵カフェ中屋」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください↓
この道の右側に歴史民俗資料館があります。
口コミ総評/美しい外観とレトロな雰囲気
彩の国 自転車🚴♀️でふらり散歩
— ただのヨーコ (@2BYqatzWgjHFDso) May 23, 2021
草加市立歴史民俗資料館見学 pic.twitter.com/DoKnPjSN4J
埼玉県草加市
— 氷河急行 (@giacierexp) February 18, 2020
旧草加小学校西校舎
1926年竣工、県初のRC造りの校舎だったそうです。パラペットを立ち上げた姿が特徴。現在は草加市立歴史民俗資料館となっています。写真3枚目は屋内に掲げられていた建設時の写真です。#近代建築 pic.twitter.com/wECXmuwEn7
草加市立歴史民俗資料館。明治時代の電話。江戸〜昭和のレジ。ビクターのステレオ。
— www9945 (@sp500500) October 2, 2018
所狭しと並んでいた。 pic.twitter.com/imk6FiSRzZ
草加市立歴史民俗資料館の口コミで最も多いのは、その外観を讃えるものでした。
懐かしく優しく力強く…立ち止まってしばらく見入ってしまうほど魅力的な建物です。
子どもたちを地震や火災から守りたいという、大人たちの願いが込められていることを知ると、余計に愛おしくなります。
「大変静かで、小学校時代にタイムスリップしたような感覚」という口コミもありました。
そうなんです!
駅に近くて小学校の隣に建っているにもかかわらずとても静かで、なんだか不思議な気持ちになるんです。私も、過去に戻って自分の小学校に遊びに来ているような感覚になりました。
自由に触れる展示も多く、今も地元の子どもたちにも親しまれている場所なのだろうと感じました。
おくの細道や草加せんべいに関する展示もあって、草加市の事がとてもよくわかりました。
訪れてよかった!大満足の休日になりました。