「メールにて失礼いたします」を上手に活用するには?意味・使い方・類似表現を紹介

テレワークに伴って電話やメールの機会が増え、ビジネス上の挨拶言葉を交わす頻度も多くなっていますよね。

本記事では挨拶言葉の中でも、メールならではのフレーズ「メールにて失礼いたします」に注目します。

「メールにて失礼いたします」の意味・使い方・マナーなどを把握し、適切な運用にお役立てください。

この記事の内容

「メールにて失礼いたします」の意味を紹介!


「メールにて失礼いたします」には形式的な挨拶言葉の役割もありますが、言外の意味も含まれます。

なぜメールを使うのか・なぜ断りを入れるのかといった部分にも注目することで、フレーズの本質に近づけるでしょう。

略儀・略式の挨拶言葉


「メールにて失礼いたします」はメールを使った略儀・略式の挨拶とみなされます。ビジネスにおいて、表敬の挨拶は直接面会して行うのが望ましいですよね。

一方、双方のスケジュールを調整してアポイントを取り付け、面会に20分~30分といった時間を割くには及ばないという考え方もあるでしょう。

上記を踏まえ、「本来なら直接お会いしたいけれども、簡略化してメールでご挨拶しよう」といった意味を込めて「メールにて失礼いたします」と述べるわけですね。

コロナ禍に伴うソーシャルディスタンスの意味も


スケジュール調整や時間を割く手間だけでなく、コロナ禍の時勢においてはソーシャルディスタンスも考慮する必要があります。

不要不急の面談・面会を避ける意味でも、挨拶や用件をメールで済ませることには合理的な面があるのです。

以上を踏まえ、「メールにて失礼いたします」と一言添えることで、ソーシャルディスタンスの意味合いも加味されると考えてよいでしょう。

「メールにて失礼いたします」の使い方は?


続いて、「メールにて失礼いたします」の使い方を紹介します。文末や結びの一言に使うほか、文頭に配置する方法も。主なパターンも併せてピックアップします。

文末・結び


本文で用件を述べた後、最後に「メールにて失礼いたします」と添えて締めくくる用法があります。

直接会って用件を伝えるべきところ、メールで済ませている非礼を詫びるニュアンスです。

昔ながらの季節の挨拶や儀礼的な一文を挟まないためドライな面もありますが、見方によっては合理的な挨拶文といえるでしょう。

文頭


ツイッターや電子掲示板など、文章中心のネット媒体では「横から失礼します」といった書き出しを見ることがありますよね。

本来の様式ではない・本来の手続きとは異なるといった意味合いでは、「メールにて失礼いたします」のエッセンスと同じです。

一言断りを入れることにより、可能な範囲でベストの方策を選んでいる旨を伝えられます。書き出し以降の本文を遠慮せずに述べられるようになるのもメリットの1つです。

主なパターン


「メールにて失礼いたします」を使うことが多いケースは、概ねご挨拶・お礼といった4つのパターンに分類されます。

挨拶

勤務地・部署間の異動、もしくは退職に伴う最後の挨拶をメールで行う際、「メールにて失礼いたします」が役立ちます。

主な例としては、勤務地や部署の異なる相手への挨拶が典型的。特に複数の相手に対しては、1人ずつ電話をかけるよりも効率的です。

注意点としてはメールの性質上、一方的な発信になってしまいがち。本当にお世話になった相手に対しては、双方向のコミュニケーション手段を選ぶ方がよいでしょう。

お礼

簡単なお礼を述べる場合、メールで一言「メールにて失礼いたします」と断るとスマートに済ませられます。

一言のお礼のために、相手の時間を割いて面会や電話をするには及ばないといった場合に最適。メールの利点を最大限活かせるため、非常に有効な使い方です。

お詫び

お詫びや謝罪をする必要があり、手段がメールに限られる場合は「メールにて失礼いたします」と一言添えるのがセオリーです。

例えばネット通販の場合、対面・電話でのやり取りは基本的にありません。トラブルが発生した場合も、メールもしくは専用のWebフォームを利用した文章でのやり取りが一般的です。

注意点として、コミュニケーション手段がメール以外にもあるにもかかわらず運営側がメールで済ませようとすると、事態の悪化を招くおそれがあります。

例えば「誠意が足りない」などのクレームを付けられ、収拾が付かなくなってしまう場合も。ある程度臨機応変な対応が必要です。

相手が不在

訪問や電話によるコンタクトを図ったものの、相手が不在という場合も考えられます。いち早く用件を伝えるためにも、メールでメッセージを残しておく行為は無礼に当たりません。

「ご不在だったため、メールにて失礼いたします」の一文があれば、メッセージを受け取る側も経緯をつかみやすくなります。

「メールにて失礼いたします」の注意点は?


「メールにて失礼いたします」の使い方を誤ると、悪い印象を招く場合があります。運用法と併せて、注意点も確認しておきましょう。

メールでの連絡はマナーとして問題ない?


ビジネスシーンにネット環境が普及するまでは、「連絡はなるべく口頭で」というのが一般的なマナーでした。

現在、メールでの連絡は必ずしもマナー違反とはいえません。特にコロナ禍の状況においては、合理的な連絡ツールの位置づけです。

注意すべき点として、緊急性の高い用件や、即時判断が必要な用件までもメールに限定する必要はありません。

特に多忙な責任者層であれば、落ち着いてメールチェックに時間を割けない場合もしばしば。

「メール連絡は失礼か否か」という点だけでなく、関係者全体に対する妥当性・合理性も考慮することが大事です。

ビジネスシーンにおけるメールの位置づけ


ビジネスシーンにネット環境が普及するまでは、メールによる連絡は優先度の低いものとして扱われがちでした。

近年では、記録や履歴が残るほか相手の都合を束縛しないという点で、メール連絡も重要視されるようになっています。

メールは関係者間の情報共有を行うツールとしても有用です。一括送信を利用して全体に情報を発信でき、適宜必要なファイルを共有することでミーティングや会議の回数も減らせます。

ビジネスシーンにおけるメールは、今や必要不可欠のものになっていると考えるべきでしょう。

「メールにて失礼いたします」の類語・言い換え表現は?


「メールにて失礼いたします」の代わりに使える類語・言い換え表現を考えてみましょう。主なフレーズを2つ紹介します。

メールにてご挨拶いたします


用件が挨拶のみの場合は、ストレートに「メールにてご挨拶いたします」と述べても構いません。

1点補足すると、書き出しではなく文末に配置する方がよいでしょう。

というのも書き出しで「メールにてご挨拶いたします」と前置きし、本文で挨拶言葉を述べる流れだとくどい印象を与えてしまうからです。

いわゆるクッション言葉は前置きに使うことが多いものですが、「メールにてご挨拶いたします」の場合は文末・結びに配置しましょう。

本来は直接伺うべきところ


外部の相手とのやり取りにおいて、用件によってはメールで済ませる場合もあるもの。

特に自分が依頼する側の立場であれば、直接出向いて対面で用件を伝えるのが望ましいですよね。一方コロナ禍の状況においては、必ずしも面会・面談がベストの対応とは限りません。

上記のような場面でメールを送る際、クッション言葉として「本来は直接伺うべきところ」と一言添えれば、配慮のある判断および発言だと理解されます。本題についても円滑に話を進められるでしょう。

「メールにて失礼いたします」の例文4選!


紹介してきた知識を踏まえ、「メールにて失礼いたします」を使った例文を4つピックアップします。

例文

大変急な話ですが、5月末日をもって仙台支店に転勤することになりました。本来ご挨拶に伺うべきところ大変恐縮ですが、メールにて失礼いたします。

例文

本年は大変お世話になりました。ご多忙の折、お時間をとっていただくのも恐縮ですので、年末のご挨拶はメールにて失礼いたします。

例文

略儀ながらメールにて失礼いたします。先日は送別会を開いていただき、まことにありがとうございました。本来なら1人ひとりお礼を申し上げるべきですが、何卒ご容赦願います。

例文

メールにて失礼いたします。先般は当社の商品説明会にお越しいただき、まことにありがとうございました。おかげさまを持ちまして大盛況を収めることができ、厚く御礼申し上げます。

まとめ


「メールにて失礼いたします」がどのような働きをするか、おわかりいただけましたか。何気ない一言に見えますが、実は非常に大きな役割を果たしているのです。

クッション言葉には摩擦を減らし、コミュニケーションを円滑に促す効果があります。特に「メールにて失礼いたします」は、コロナ禍に悩む現代において大いに役立つでしょう。

「メールにて失礼いたします」をうまく活用し、スムーズなコミュニケーションにつなげてください。

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