「参考にさせていただきます」の意味と使い方を解説!敬語表現・類語・言い換え表現も紹介!

第三者から話を聞くような場面で、話の終わりに「参考にさせていただきます」と一言添えることはしばしばありますよね。なかば慣用的に使っている方も少なくないでしょう。

一見もしくは一聴すると丁寧な言葉であるものの、、使い方によっては皮肉や非礼につながることも。機械的に発言すると危うい場合もあるのです。

当記事では「参考にさせていただきます」の正しい意味・使い方・類語・言い換え表現を紹介します。敬語分類についても詳しく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事の内容

「参考にさせていただきます」の意味を解説!


最初に「参考にさせていただきます」の基本的な意味を解説します。敬語表現であることにもご注目ください。

情報提供に感謝


前提として、「参考にさせていただきます」は相手に向かって発言するフレーズである点を押さえる必要があります。

参考になる情報がもたらされたからこそ、相手に向かって一言伝える必要があるのです。

以上を踏まえ、「参考にさせていただきます」には情報提供に対する感謝の意が含まれると考えられます。

敬語を使って話す関係性が前提


先述の通り、「参考にさせていただきます」は相手ありきのフレーズ。敬語表現が前提となることから、対象は目上の相手に限られるのも大事なポイントです。

「~させていただきます」と、かしこまった表現である点も見逃せません。例えば「参考にします」と発言しても、敬語表現としては誤りではないはず。

敢えてかしこまった言い回しをするのは、相手に対してへりくだった姿勢を見せる必要があるからこそ。敬語表現の詳細については後述します。

「参考にさせていただきます」の主な使い方を紹介!


基本的な意味・性質を踏まえた上で、「参考にさせていただきます」の使い方に目を向けましょう。

「参考にさせていただきます」には情報をキーとして、感謝の意を表したり意見を求める用法があります。それぞれについて解説します。

お礼の気持ちを表す


相手から情報を得た後に「参考にさせていただきます」と発言する場合は、感謝やお礼の気持ちを表します。

情報提供だけでなく、自分のために時間や労力を割いたことに対しても謝意を伝えることがポイントです。

意見をうかがう


情報提供がなされる前の段階で、相手から意見や話をうかがう場合にも「参考にさせていただきます」と一言添えることがあります。

相手からもたらされた意見や情報を今後のために活用させてもらう、といった意味であり、無駄にすることなく有効活用する意志を表します。

「参考にさせていただきます」の敬語分類は?


「参考にさせていただきます」を正しく理解する上で避けられないのが、敬語分類上の位置づけです。

敬語分類を理解することで、相手との上下関係もつかめるでしょう。

謙譲語+丁寧語


「参考にさせていただきます」の原型は「参考にする」+「させていただく」+「ます」。一般動詞+謙譲の補助動詞+丁寧の助詞で構成され、核となるニュアンスは謙譲表現です。

すなわち目上の相手に対し、「参考にさせてもらう」のニュアンスをへりくだって伝える意味を表します。

「させて頂く」はNG


フレーズ「参考にさせていただきます」の後半部、「~させていただきます」の表記は平仮名にする必要があります。

文部科学省の指針によるもので、補助動詞としての「いただく」は平仮名表記が原則に。「頂く」の表記は一般動詞「もらう」の謙譲表現に限られ、補助動詞としては使えません。

細かい部分ではあるものの、ビジネス・一般常識としてのマナーなので覚えておきましょう。

「参考にさせていただきます」の注意点は?


「参考にさせていただきます」は丁寧で当たり障りのない言葉だと思われがちですが、使い方次第で相手に悪い印象を与えることも。

使用する際の注意点をピックアップしてみましょう。

場合によっては皮肉や非礼の意味になる


価値の高い情報がもたらされたり、状況を決定づけるような話を聞いたりした後に「参考にさせていただきます」の一言で軽く締めくくると、相手に悪い印象を与える可能性があります。

「参考にする」には「決定的ではない」「決め手に欠ける」といったネガティブな側面も。意図せずとも、「あくまで参考程度に留める」といった否定的なメッセージを伝えてしまう場合があるのです。

発言時のトーンや表情・態度なども影響します。いかにも無関心な様子で「参考にさせていただきます」と伝えた場合は、嫌味や皮肉と捉えられても無理はないでしょう。

対応方法としては「貴重なお話、ありがとうございました。参考にさせていただきます」のように、感謝の意を補足するクッション言葉を挟むことでトラブルの可能性を減らせます。

身分の高い相手に対しては失礼に当たる


普段接する機会のない特別な相手から話や情報を提供された際、「参考にさせていただきます」の一言を伝えるだけでは不十分。せっかくの配慮に対して、感謝の気持ちが薄いと判断されてしまいます。

会社でいえば役員層など、身分の高い人物にとっての一分一秒の重みは別格です。目上の人物がわざわざ時間を割き、情報提供まで行う意義・価値を的確に汲み取る必要があります。

先述のように「貴重なお話、ありがとうございました」と前置きするだけで、「参考にさせていただきます」のネガティブな要素はだいぶ払拭されます。

「参考にさせていただきます」を使った例文3選!


基礎知識を踏まえ、実際に「参考にさせていただきます」を使った文章を考えてみましょう。

例文

「先輩、初めて得意先を訪問する際には何か手土産を持っていくものですかね?」
「いや、そんなマナーとか義務みたいなものはないよ。ただし、世間話だとか地元の名産とかいった話題につなげるための、きっかけとしては役立つだろうね」
「なるほど、参考にさせていただきます!」

例文

「新商品のAが、斬新なコンセプトで話題を呼んでいますね。コンセプト着想のきっかけをうかがってもよろしいでしょうか?是非参考にさせていただきます」
「興味をお持ちいただき、ありがとうございます。実のところAは、失敗作から生まれたものです。元々全く別の商品を制作していたのですが、試作・失敗の過程で予想もしないものができあがった。意外性という意味では、むしろこっちの方が面白いと考えたのです」

「参考にさせていただきます」の類語・言い換え表現は?


「参考にさせていただきます」は慣用表現の1つになっており、社交辞令の側面があることも否定できません。

真意を伝えるには、類語や言い換え表現を使う方がよい場合もあります。代表的な類語・言い換え表現は次の3つです。

「お手本とさせていただきます」


「参考にさせていただきます」の場合、あくまで参考材料に留めるといったネガティブな意味合いが含まれますよね。

一方「お手本とさせていただきます」と表現すれば、直接手本として採り入れて実践するニュアンスが強調されます。

デメリットは「参考にさせていただきます」よりも踏み込んだメッセージを伝えることになるため、実践の責任が生じること。

実践の行動が伴わない場合、やはり社交辞令とみなされてしまうでしょう。

「活用させていただきます」


「活用させていただきます」は、「参考にさせていただきます」と「お手本とさせていただきます」の間を取ったニュアンスを伝えたい場合に便利なフレーズです。

「用いる」の文字が含まれることから、「参考にさせていただきます」よりも踏み込んだメッセージとみなされます。

また「お手本とさせていただきます」にはあたかも丸ごとコピーするかのような意味合いがありますが、「活用させていただきます」の場合は一部活用するだけでも成立します。

「参照させていただきます」


「参照させていただきます」は、「参考にさせていただきます」とよく似たトーンの言葉です。

相手に対して「鑑みる」のニュアンスを丁寧に表現するフレーズで、チェックや対比の対象が存在する場合に使われます。

チェックや対比を行う責任は発生する一方、それ以上踏み込んだアクションをするか否かについては不明瞭ともいえるでしょう。

「参考にさせていただきます」の外国語表現は?


最後に、「参考にさせていただきます」を英語と韓国語で表現したフレーズを紹介します。

英語表現


・“I will use it as a reference.”
(参考にさせていただきます)

・“It helps me a lot.”
(とても参考になります)

韓国語表現

・참고하겠습니다
(参考にさせていただきます)

・고마워, 참고로 하겠습니다.
(ありがとう、参考にします)

まとめ


「参考にさせていただきます」にはいくつものニュアンスがあることにお気づきいただけたでしょう。語句として丁寧でも、文脈や伝え方次第で様々なメッセージとして受け取られます。

状況によっては類語や言い換え表現も有効です。「参考にさせていただきます」を適切に使えるよう、当記事をお役立てください。

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