「お聞かせください」は失礼な表現って本当?意味・使い方・言い換え表現も紹介!

「お聞かせください」はビジネスだけでなく、インタビュー・アンケートなどでもよく使われます。敬語として問題のない表現ですが、失礼だとみなす見解も。

内容として同じ意味合いでも、言い方次第で相手に与える印象は変わりますよね。例えば「教えてください」というよりも、「お聞かせください」「ご教示ください」という方が丁寧です。

以上を踏まえ、当記事では使われることの多い「お聞かせください」の意味・使い方・使用上の注意などについて解説します。

類語のほか、より丁寧な言い換え表現も紹介しますので是非最後までお読みください。

この記事の内容

「お聞かせください」の意味は?

「お聞かせください」は話を聞かせてほしい・考えを教えてほしいといった意味合いの、打診・相談を表すフレーズです。

敬語表現なので、相手あっての言葉である点にも注意しましょう。以下で詳しく解説します。

聴取・ヒアリング・インタビューなどの申し入れ

「お聞かせください」の意味は相手の意見・見解・意思などを伺い、聞き取ろうとすることです。そのため打診・相談の意味合いも含まれます。

主にヒアリング・インタビューを申し入れたり、ヒント・アドバイスなどをもらいたいといった意味合いが一般的です。

目上の相手にかける言葉

「お聞かせください」は敬語表現であることから、目上の相手に対して使うのが一般的です。

敬語分類上は動詞「聞かせ(る)」の尊敬表現「お聞かせ」+丁寧の補助動詞「ください」で構成されており、敬意の度合いも高いといえます。

「お聞かせください」の使い方を紹介!

「お聞かせください」の意味を踏まえ、どのように運用するのかを解説します。

目上の相手に聴取・ヒアリング・インタビューを依頼する

「お聞かせください」は、目上の相手に聴取・ヒアリング・インタビューを申し入れ、受け答えするようお願いする時に使うのが一般的です。

「お話を伺いたい」のように自分の意思を伝える言葉と比べると、相手のアクションを直接引き出すニュアンスが強め。

以上の理由から、「お聞かせください」はクッション言葉には不向きといえます。

マナー上は失礼にあたる?

「お聞かせください」に含まれる「ください」に難色を示す人も少なくありません。

理由として補助動詞「ください」は、文脈によっては命令のニュアンスを伴う点が挙げられます。例えば「水をお取りください」といった内容だと、指示・命令のニュアンスが強いですよね。

一方「お聞かせください」の場合、敬語分類上は「水をお取りください」と同じでも内容が異なります。なぜなら申し入れ・お願いをする点で、指示・命令とは反対の性質が含まれるからです。

以上の理由から、「お聞かせください」は失礼な言葉ではありません。一方で、「ください」の部分に反応する人が一定数存在するのは確かです。

身分の高い相手に対しては言い方を変える方が無難。「お聞かせください」の丁寧な言い換え表現については次の節で紹介します。

「お聞かせください」よりも丁寧な言い方は?

「お聞かせください」は丁寧な表現であるものの、敬意が伴わないとみなす意見も。

社外の相手や身分の高い人物など、最大限の敬意を表す必要がある場合に役立つフレーズを3つ紹介します。

お聞かせ願います

「お聞かせ願います」とは、目上の相手に対して聴取・ヒアリングを願い出る意味合いです。

「お聞かせください」よりも相手にお願いするニュアンスが明確化される上、補助動詞「ください」に伴うリスクも回避できます。

お聞かせいただければ幸いです

「お聞かせいただければ幸いです」は、婉曲表現を採り入れたフレーズです。

あくまで自分の希望を伝えるのみに留めるため、相手を直接的に動かそうとする「ください」よりも当たりが柔らかいのが特徴。

「~れば幸いです」の言い回しには、都合が悪ければ断ってもよいといった猶予・ゆとりのニュアンスも含まれます。

相手に対するプレッシャーが少ない点からも、ビジネスではよく好まれる表現です。

お教え願います

「お教え願います」はインタビュー・アンケートといった問答よりも、不明な点について教えを乞うニュアンスが強調された表現です。

尊敬+丁寧の敬語表現であるものの、全体としてへりくだった低姿勢を表すため、目上の相手に対して好印象を与える効果があります。

ご教示願います

「ご教示願います」は「お教え願います」と同義のフレーズです。トーンにわずかな違いがあり、「ご教示願います」の方が改まった言い回しのため、よりビジネスシーンに適しています。

「お聞かせください」の言い換え表現を紹介!

今度は「お聞かせください」と概ね同程度に丁寧な言い回しを3つ紹介します。補助動詞「ください」を使っても問題ない相手や場面での運用がおすすめです。

ご教示ください

先に紹介した「ご教示願います」よりも少し柔らかい表現が「ご教示ください」です。

同じ「ください」を使う言葉でも「お聞かせください」より好印象を与えやすく、ビジネスでも比較的使われます。

ご教授ください

「ご教授ください」と表現する場合は「教わる・授かる」のニュアンスが強調されるため、「お聞かせください」よりもへりくだった姿勢を表します。

注意点として、教授と生徒のような構図のトーンを打ち出すことになるため、ビジネスではあまり使われません。

ビジネスで使う場合は「ご教示ください」の方が適しています。

お教えください

「お教えください」は「お聞かせください」よりも直接的な表現です。「教えてください」を少し丁寧に伝える程度のトーンであり、外部の相手や身分の高い人物に使うには適していません。

使う対象は、社内で距離の近い上司・先輩相手に留めておく方が無難です。

「お聞かせください」を使った例文3選!

紹介してきた基礎知識を踏まえ、「お聞かせください」を文章に組み込んで運用してみましょう。

例文

「当社に応募された志望動機をお聞かせください」
「御社の経営理念に共感したからです」

例文

「パフォーマンスやモチベーションを保つために心がけていることがあれば、お聞かせください」
「主に、朝カレーとヨガの2つです。朝から好きなものを食べ、適度に体を動かし、ストレスを溜め込まないようにしています」

「お聞かせください」の英語

最後に、「お聞かせください」に相当する英語表現を2つ紹介します。

英語表現の場合、「聞かせてもらう」よりも「教えてもらう」のニュアンスが強い点を押さえておおきましょう。

“Please let me know”

“Please let me know how to login.”
(ログインの仕方を教えてください)

Could you tell me~?

“Could you tell me the way to the subway station?”
(地下鉄の駅までの道のりを教えてください)

まとめ

「お聞かせください」は丁寧ともカジュアルとも解釈できるため、使い方に少し気を付ける必要のあるフレーズです。

日常会話の中では敬語とみなされ堅苦しく聞こえる一方、ビジネスシーンではくだけた物言いだとみなされることも珍しくありません。

適切な使い方を身につけ、必要に応じて言い換えられるだけの引き出しも用意しておきましょう。

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